サブスク申込みページでよく見かける料金プランの選択要素。機能の違いや月額・年額の違いを表示するやつ。この要素を巡って一悶着あったのでメモ。
あるチームが担当するサービスの申込みページ改善で、料金プラン周りを見直すことになった。現状を確認すると、なぜか料金と申込みボタンは表示しつつ、利用できる機能一覧は隠してる状態。開くをクリックすれば展開するけど、なんだこの仕様。
隠す理由が意味不明
担当者に聞くと「情報量が多いと申込みCVが落ちるから隠してる」とのこと。
いやいや違うでしょ。サブスク申込みページなんだから、各プランの料金と機能一覧はちゃんと表示しないと比較検討できない。ユーザーも不安でアクションできない。
しかも、お問い合わせで「申し込んだプランで使えると思ってた機能が使えない」という事例もあるらしい。そりゃそうだ。機能一覧が隠れてるんだから。
UI/UX原則を完全に無視
この仕様、基本的なUI/UXの原則に照らしても問題だらけ…
- 透明性の原則違反:ユーザーは購入前にすべての情報を知る権利がある。隠された情報は不信感を生む
- 比較可能性の欠如:現実の買い物では商品比較が基本なのに、それを妨げてる
- 認知負荷の増大:「開く」アクションを強制することで、ユーザーの記憶に頼らざるを得ない
- エラー防止の失敗:「使えると思ってた機能が使えない」は典型的なユーザビリティエラー
情報量は言い訳に過ぎない。そんなの情報設計やデザインの工夫でどうとでもなる。比較表形式にするとか、プラン間の違いをハイライトするとか、方法はいくらでもあるだろう。
よくある間違った考え方
「情報量を減らせばCVRが上がる」って考え方自体がまず間違い。料金プランは例外で、ユーザーは詳細をちゃんと確認したがるものだ。「シンプル=情報を隠す」じゃない。整理して見せることがシンプルなのだ。
何かしら隠したい意図や背景があったんだろうけど、あまりに悪手。ビジネス側の視点でデザインしてしまう、あるあるの極みだな。機能的な差があまりないとか、料金だけで選ばせたいとか、そんな理由なんだろう。
今日の気づき:料金周りは特に明朗であるべき。隠すとユーザーが迷うだけじゃなく、不信感すら抱く。一度不信感を抱くとそのサービスでアクションしなくなる。
短期的にCVRが上がっても、長期的には顧客満足度低下や解約率上昇につながる。ユーザー視点を忘れたビジネス都合の最悪の例。UI/UXの基本を無視した典型的な失敗だ。