AI検索「Perplexity」 | 次世代の検索エンジンになるのか?

今日、クライアントとの打ち合わせで「Perplexity」という生成AIのサービス名が出てきた。実は初耳だったこともあり、さっそく調べてみたんだけど、これが予想以上に興味深いツールで、特にメディア企業のUXを考える上で無視できない存在だということがわかった。

今回はPerplexity AIの基本と、メディア企業への影響についてまとめてみる。

Perplexityとは何か

Perplexity(パープレキシティ)は2022年12月に公開された対話型AI検索エンジン。シリコンバレー発のスタートアップが開発していて、CEOのアラビンド・スリニバス氏はOpenAIでの経験もある人物だ。

ざっくり言うと「ChatGPTに検索機能を付けたもの」と思いがちだけど、実際は逆で「検索エンジンにAIの対話機能を組み込んだもの」という理解の方が正確ぽい。彼らは自分たちのサービスを「検索エンジン」ではなく「回答エンジン」と呼んでいる。

Google検索やChatGPTとの違い

Googleは「この検索キーワードに関連するリンク集」を表示するだけ。でもPerplexityは「あなたの質問に対する直接の回答」を生成してくれる。しかも情報源も明示される。

ChatGPTとの違いは、常に最新のウェブ情報を検索して回答するから情報が古くならない。しかも回答の出典元リンクもきちんと表示される。つまり「答えの信頼性」が確認できる。

実際に使ってみたら、キーワードではなく自然な質問文を入力すると、まるで誰かが調査して要約してくれたような回答が返ってくる。情報を集めるのが格段に楽になった。

成長率と今後の展開

今年に入ってから急成長していて、SEO関連の調査によると月間40%の成長率を記録し、月間アクティブユーザー数は1,000万人を超えているらしい。2023年の回答数が全体で5億回だったのに対し、2024年8月の1ヶ月だけで2.5億回以上を記録している。急成長ぶりがうかがえる。

日本でもソフトバンクと2024年6月に戦略的提携を発表。ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOのユーザーには有料プランが1年間無料で提供されている。この辺の動きを見ると、今後さらに普及しそうだけどどうなるだろう。

メディア企業への影響

とても面白いサービスだけど、メディア業界としては気をつけるべき点もありそうだ。

今後はGoogleだけでなく、AIにも「拾われやすい」コンテンツ設計が必要になるだろう。また、ユーザーがサイトに来なくても情報が得られるから、リンク経由のトラフィックが減る可能性もある。PV減の恐れありだ。

さらに、コンテンツの質がより重要になってくる。AIが引用する情報源として選ばれるかどうかが勝負になる。まさにGoogleを意識したコンテンツ作成からAIを意識したコンテンツ作成へシフトしていくことになる。

とはいえ、従来の検索エンジンは衰退していく可能性もあるけど、「価値のある高品質なコンテンツを提供する」という原則は変わらない。つまり、良質なコンテンツさえ作り続ければ、Perplexityのような新しいAI検索エンジンにも評価されるはず。きっとそう。

今日の気づき

検索の形が変わりつつある。「10個のリンクから選ぶ」から「1つの回答を得る」時代へ。情報の量より質、そして「時間効率」が重視される。良くも悪くもだ。

このトレンドを見ると、GoogleはもちろんChatGPTで十分という認識は少し危険かも。メディア企業はAI時代の情報設計を今から考えておく必要があるな。検索方法の変化は、情報設計の変化。そして情報設計の変化は、UXの変化だ。

次は、AIに最適化されたコンテンツ作成について調べてみよう。どうやればいいんですか?と。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

フリーランスのWebディレクターとして活動中。5回の転職を経て気づけばフリーランスで個人事業主になっていた。アラフィフになって物忘れが激しくなってきたこともあり、日々の仕事で思ったことや気づいたことをメモっておこうかなと。

目次