手伝っている会社で若手主体の新規事業案件への協力を求められた。UI/UX周りのサポートがメインとのこと。新規事業好きとしてはこれ幸いと思い、キックオフに参加した。
ところが、あまりになにも決まっていない状態に驚いた。
フワフワすぎる新規事業案
決まっているのは「MZ世代をターゲットにしたサービス」程度。
- ビジネスモデルは未定
- マネタイズは「ユーザー増やしてから考える」
- 具体的な集客施策も未定
- MZ世代も広すぎてターゲティングできていない
まさにフワフワの状態。
助言したら意外な背景が
これはまずいと思い、サポート役として助言。
- ビジネスモデル、特にマネタイズを後回しにすると失敗しがち
- ターゲットを絞った方がいい
- そのターゲットがどこにいて、どう集客するかを決めるべき
ところが後日、別のサポート役から衝撃的な言葉が。
「あの案件はあくまで若手メンバーのモチベーション維持(裏を返せば退職・転職を防止)のためのものなので、ビジネス周りは細かく決めなくても大丈夫です」
なるほど、そんな事情があったのかと思い…
「そうだったんですね。自分の助言はちょっと勇み足だったかも。若手主体の案件なのでしばらく見守るようにします」
と回答しておいた。
複雑な思い
事情はわかったけど、せっかくの新規事業なのにビジネス的な成功を目指さないのはもったいない。どうせ失敗するから、あわよくば成功するかも。そんなノリで新規事業は立ち上がらない。
ただ会社側の考えもわかる。経営・マネジメント視点では、若手の転職防止は難しい課題だ。業務内容、給与や待遇、人間関係、社風など、複雑な要素が絡む。即効性のある施策はなく、やりがいのある機会を与えるのも一案だ。
わかるんだけど、その機会が「新規事業立ち上げ」で「フワフワで進めてOK」というのはやっぱり駄目だろう。新規事業を舐めているとしか思えないし、私が考えるマネジメントとも違う。
今日の気づき:これでは結果的に若手の退職や転職を防ぐことにはならないだろう。上手くサポートしていきたいが、どうなるやらだ。新規事業と人材育成の両立は簡単ではない。でも今回のような「形だけの新規事業」では、どちらの目的も達成できないのではと危惧している。早々に頓挫するだろうな。