手伝ってるA社が、GoogleのPageSpeed Insights(ページスピードインサイト)をやたら気にしている問題。
改善を進める際、デザインやコーディングなどの実装段階で「PageSpeed Insightsの測定結果はどうなのか?」「エラーが出ないように!」「スコアが!」みたいな感じで、やたらインサイトの数値を信奉している。大丈夫かと…。
PageSpeed Insightsとは
そもそもGoogleのPageSpeed Insightsは、ウェブページの読み込み速度とパフォーマンスを評価するためのツール。ユーザーエクスペリエンス向上に役立つものだ。測定結果が100点満点で採点されるのもわかりやすい。
Googleいわく、Webサイトのパフォーマンスは検索エンジンのランキングやユーザーエクスペリエンスに影響を与える。要は、表示速度次第でGoogleからの流入に影響出るよというわけ。
バランスが重要
もちろん、ページの読み込みが速いとユーザーも嬉しいし、ユーザビリティも向上する。ユーザー体験の最大化という意味では間違ってはいない。
ただ、このツールがすべてではないし、スコアに振り回されるのは悪手だ。ある案件では、コンテンツやデザインをないがしろにしてまで速度を追い求めていくケースが増えていて、どうにも気持ち悪い。
PageSpeed Insightsを使う際の注意点
- スコアは測定するたびに変わる
- Googleも言うように、ネットワークやハードウェアの状況、リソースの競合などでスコアは変動する。何度か測定することが大事。要は、環境で変わるので参考値でしかない。
- 100点を目指してはいけない
- モバイル50点、パソコン80点が目安と言われている。サイトに必要なコンテンツやデザインを実装すると、画像やスクリプトが増えるのでエラーは出る。 ユーザーにとって最適なUXに寄与するものを削るわけにもいかない。Googleを向いて設計するのか、ユーザーを向いて設計するのかの選択だ。速度だけ重視は現実的じゃない。
- やるなら画像サイズの見直しと使ってないJavaScriptの削除から
- 速度改善も大事。バランスが要。改善するなら影響が大きい「適切な画像サイズ」と「使用していないJavaScriptの削除」の二つを優先すべき。他の項目はこれらが解決できてから。
- 大事なのはスピードよりもコンテンツ、そしてデザイン
- 表示速度も大事だけど、優先度で考えるとやっぱりコンテンツとデザイン。PageSpeed Insightsを信奉して速度だけを追い求めると本質を見失う。良質なコンテンツ作成とデザインの質を追求することに時間を使うべき。
今日の気づき:「コンテンツ」「デザイン」「速度」の3つをバランスよく整えることこそが、ユーザー体験を向上させる。目指すゴールは同じはずなので、一つだけに振り回されないようにしたい。