四半世紀の付き合いになる友人が、現在転職活動の真っ最中だ。
同い年で今年50歳。これまでのキャリアでは私と同じく5〜6社をジョブホップしつつ、そのうち2社では一緒に働いたことがある。特にここ数年は起業して海外に進出、帰国後に一般企業へ転職し、その後フリーランスとして活動するなど、波瀾万丈な道を歩んできた。
そんな彼が、今回再び転職に挑んでいるが、これがなかなか大変そうだ。やはり50歳での転職となると、簡単なことではない。彼の転職活動のハードルを大きく分けると、主に以下の3つがポイントだった。
1. 年齢の壁
まず何より年齢がハードルになっている。50歳なので当然だろう。豊富な知識と経験を持っている一方で、雇う側にとっては、自分より年上の人を採用することに抵抗があることも多い。実際、私もかつてスタートアップでシニア層を採用したことがあるが、勇気と覚悟が必要だったのを覚えている。即戦力としての期待は高いものの、柔軟性が求められる場面での不安が拭えないという点が、採用側の懸念になりやすい。
2. 海外志向
彼は海外勤務を希望しているが、採用枠という意味では少々狭き門になりがちだ。ただ、彼のキャリアやスキルにマッチしているのは間違いない。その一方で、年齢を重ねた今、海外で働くことにはライフスタイル面での重圧も伴う。家庭や生活の拠点を海外に移すことは、若い頃よりもハードルが高く、足枷になることも多いものだ。
3. 自前のビジネス
彼は自身のサービスを立ち上げ、成長させようとしている。しかし、新規事業の立ち上げは簡単なことではなく、本当はそちらに集中したいものの、生活のためにはまだ別の収入源が必要だという現実がある。さらに、海外勤務となると自分のビジネスの管理や成長が難しくなるというジレンマにも直面している。これが一番ネックみたい。
こうした様々な状況の中、最終的には国内の会社に転職するという決断を下したらしい。ひとまず一安心ではある。ただ、ここ1〜2ヶ月の転職活動は非常に忙しく、彼曰く「地獄だった」らしい…。
彼が主に利用していた転職サービスは、私のアドバイスもあり「リクナビエージェント」や「ビズリーチ」だったようだ。初期に利用していたダイレクトスカウト系のサービスでは、エージェントからの連絡が大量に届くため、精神的に消耗してしまったらしい。ミドルの転職とかw
あらためて感じたことだけど、50代での転職活動となると、年齢やスキルに応じたポジションの限られた選択肢、体力やフレキシビリティの問題、さらに自身のライフプランとの調整など、20代や30代の転職とは異なる課題が浮かび上がってくるなあと。
おまけに、現代では生成AIなどテクノロジーの変化がやたら早く、50代でも最新のスキルを磨く必要があるのも厳しい現実だ。まあここは頑張りどころで踏ん張りどころなのだけど。一方で、豊富な経験やリーダーシップを武器に、シニア世代向けの求人も増えてきているのも事実ではある。ここはそう悲観しなくてもいい。
彼の転職活動がひと段落した今、私自身も同じような境遇にあるわけで。今後もフリーランスとして続けるべきか、安定を求めて再び企業に身を置くべきか、50歳を迎えた今、重要な決断の時期に差し掛かっていると感じる…。
これからの道をどう進むべきか、慎重に考えたいところだ。