元ヤフー(現LINEヤフー)の仲間たちとの忘年会。今年も例年通り、小規模な集まりになった。かれこれ10年以上続いているが、参加メンバーは徐々に減少して、今年もまた3人に。少し寂しさを感じながらも、変わらない空気感にホッとする。
しかし、今年の忘年会はちょっとした衝撃があった。ずっとヤフーに残り続けていた仲間が、50歳の節目で退職していた。「あの彼が辞めるなんて!」と驚いたが、話を聞いて納得した。
50歳で迎えた人生の分岐点
理由はシンプル。「このまま会社勤めを続けていいのか」と考えた結果だった。老後を振り返ったとき、今の選択を後悔しないか。それを真剣に自問した末、ヤフーを退職。次のキャリアはまだ模索中だが、ひとまず個人事業主として動き始めたという。
子供たちがこれからお金のかかる時期に差し掛かり、奥さんの収入があるとはいえ、この決断は大きい。リスクを背負う覚悟に驚きつつも、同じフリーランスの身として共感する部分も多かった。
LINEヤフーと50代の悩み
辞めた理由は「人生を見つめ直す」だけではない。LINEとヤフーというスピード感のある環境で、これからの働き方を見直す必要を感じたからだという。会社の文化や環境、仕事内容の変化。それらが決断を後押ししたんだとか。
ただ、印象に残ったのは、彼の表情だった。どこか憑き物が落ちたような晴れやかな顔。不安や葛藤はもちろんあるだろうが、迷いが晴れたからこその清々しさがあった。前向きになれる選択だったんだろう。喜ばしい。
アラフィフが抱える共通の課題
アラフィフの転機は珍しくない。同世代の悩みや葛藤を目の当たりにして、自分自身の人生もまた考えさせられた。50代は、これまでの働き方に疑問を持つと同時に、未来の選択肢を模索する時期だ。それもリスクを背負いながらの、かなり思い切った決断となる。
忘年会の帰り道、人混みの中で「また来年」と別れた後も、彼の決断が頭から離れなかった。「考えることをやめない」「行動することをやめない」「ひたすら前進あるのみ」。そんなことを実感した師走だった。