先日、元リクルートの仲間と忘年会があった。少人数の気楽な会で、現役リクルート社員は一人。他のメンバーは転職済み。アラフィフ世代、そんなものだろう。
驚いたのは、今年リクルートを辞めて転職したばかりの仲間が、もうその会社を辞めていたこと。秋から別の会社に再転職していたらしい。前の会社での勤務期間は休職を除けばわずか3ヶ月。真面目で仕事熱心な彼が、なぜそんな短期間で辞めることになったのか。聞いてみた。
仕事内容が話と違っていた
一つ目の理由は、やりたかった仕事ができなかったこと。面談時に要望し約束されていた業務ではなく、全然違う仕事を任されていたという。いわゆる「話が違うだろ案件」だ。SIR系のメガベンチャーではあったが、想定外のギャップが大きかったようだ。
慣習に縛られた社風
二つ目の理由は、会社の文化。メガベンチャーとは名ばかりで、実態は保守的な会社だったようだ。あれこれ提案をしても通らず、動かせない状況に苛立ったという。リクルートで培った「自由に考え、動く」スタイルが通用しなかった。これが彼にとって最大のストレスだったようだ。
結局、心を病み休職することになってしまったらしい。それでも休職中に奮起して新しい環境を求めて動くことができたことで、今のどベンチャー企業に転職。まだ3ヶ月ほどだが、やりがいを持って働けているらしい。元気そうな彼を見て安心した。
アラフィフ転職の現実とリクルートあるある
40代後半ともなると、転職では即戦力やマネジメント力が求められる。責任あるポジションにプレッシャーは付き物だし、精神的な負担も大きい。だが、今回の彼の場合、それ以上に「リクルートらしさ」とのギャップが原因だったように思う。
リクルートの社風は特別だ。優秀で熱量の高い人たちが集まり、仕事への取り組みも純粋でスピード感がある。そんな環境に慣れた人間が、他の会社に行って戸惑うのはよくある話だ。リクルートのような人材が揃っている会社は稀だと、私も転職した後でよく実感したものだ。
思うに、職場の文化、性格や思考の一致。これが大事だと改めて思う。「環境が変わると人は変わる」というが、そこに適応できる柔軟性が問われる時代だ。リクルートはもちろん会社員という立場から離れた今、自分はどう成長していくべきなのか。そんなことを考えさせられた夜だった。